男性の育休所得2週間を目指そう

★★ 男性の育休取得2週間を目指そう ★★

男性の育児休業取得者はいらっしゃいますか。

■ 重要ポイント ────────────────────────

育児・介護休業法が改正されることに伴い、育児休業を取得しやすい雇用環境
の整備や、産後パパ育休(出生時育児休業)に対応した規程の変更が求められ
ています。

■ 産後パパ育休がはじまります ──────────────────────

2022年10月から産後パパ育休(男性版育休)制度が創設されます。

子の出生後8週間以内に4週間までの育児休業を分割して2回まで取得するこ
とができるようになります。

育児・介護休業法の改正によるもので、今までの育児休業とは別に取得が可能
になるというものです。企業規模にかかわらず適用されるもので、会社は改正
法に沿った規定整備が求められます。

■ 男性の育児休業取得の現状 ────────────────────────

2021年7月に2020年の男性の育児休業取得率が12.65%となり、初めて1割を
超えたと報道されました。

女性は8割以上の取得率が続いていますが、男性の育児休業取得率は上昇して
きてはいるもののなかなか取得は進んでいません。

また、女性の育児休業取得期間は6か月以上なのに対し、男性は取得してもそ
の4割が5日未満、8割は1か月未満という短さです。

■ 法改正の背景 ────────────────────────

働く女性は年々増加し、出産前後の継続就業率も上昇しているものの、仕事と
育児の両立のためには、男性の家事・育児を推し進めることが重要です。

ところが85%の企業は男性の育児促進の取り組みを行っていません。

■ 育児休業の給付金 ────────────────────────

育児休業を取得して無給(休業期間について給与の支払いがない)の場合、
雇用保険から育児休業給付金が支給されます。育児休業給付金は非課税です。
給付金の金額は、休業に入る前の6か月の賃金を合計し、180で割った金額の
67%が1日の休業について支給されます。

給与の支給総額が21万円の場合は、1日4,690円になります。
(210,000×6)÷180×0.67=4,690

■ 2週間取得した場合の給付金額 ──────────────────────

週休2日の会社で2週間休むという場合、所定労働日は10日の休みで、連続休業
日数は土日も含めるので14日になります。

1日1万円で21日働く会社で、10日の休業は10万円の減額支給ですが、給付金1
日4,690円が14日分(10日分ではない)支給されます。

4,690×14=65,660円

■ 社会保険料の免除 ────────────────────────

月末を挟んで育児休業を取得すると、月末が属する月の社会保険料は労使とも
免除になります。

例えば給与が21万円の場合、健康保険料と厚生年金保険料の合計金額は個人が3
万円強、事業主も同額負担ですから、社会保険料が免除されるのは大きなメリット
です。

2022年10月からは、育児休業開始日と終了日が同月でも2週間以上の育児休業
を取得した場合は社会保険料が1か月免除になります。

月給21万円の事例では、給与減額10万円ですが、3万円以上の社会保険料の軽
減と非課税の65,660円の給付金でほぼ10万円になりますので、経済的な不利益
はほとんどありません。

■ 新潟市役所の奨励金 ────────────────────────

新潟市には「男性の育児休業取得推進事業奨励金」があります。

新潟市内に本社または事業所を有する常用雇用者が300人以下の中小企業が対
象です。

男性労働者が14日以上1か月未満の休業を取得した場合は、労働者本人に10万
円が支給されます。1か月以上の取得には20万円が支給されます。

休業取得者にはとてもありがたい奨励金といえます。

■ 両立支援等助成金 ────────────────────────

厚生労働省は育児休業を取得しやすい職場風土作りに取り組み、育児休業を取
得した男性労働者がいる事業主に助成金を出しています。

中小企業であれは最低5日(所定労働日で4日以上)の休業をした男性労働者が
いると57万円がもらえます。

2人目以降の育休取得者に対しては、育休の長さに応じた助成金がもらえます。

■ 若い男性労働者は家事育児の分担が当たり前に ────────────────

男性の育児休業に当たり、会社から労働者に説明を求められることがありま
す。

「介護休業はどのようなときにとれるのか。子どもが病気の時に休んだり早
退したりするときに、どんな制度が利用できるのか」など、育児休業以外の制
度について聞かれたりします。

結婚してからも夫婦二人が働き、家事も分担してやってきているので、育
児・介護も当然のように分担してやりたいという若い男性の強い意志が伝わっ
てきました。

■ 4月から育児休業を取得しやすい環境整備が義務化 ──────────────

育児休業が進まない大きな理由が、「休業制度が整備されていなかったから」
です。

4月1日からは、育児休業を取得しやすい雇用環境を整備(研修の実施や相談
窓口設置)し、妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対し
て会社は個別の周知・意向確認をしなければなりません。

若い男性社員のいる会社では、特にこの義務化をきちんと理解し推し進めま
しょう。