★★ コロナ禍とテレワーク ★★
コロナ禍で3人に一人がテレワークを経験したといいます。
コロナ禍は特に都市部において一気にテレワークを推し進めました。
■ 重要ポイント ───────────────────────
法令で求められていることを理解した上でで、テレワークの体制を整えてい
きましょう。
■ テレワークのメリット ───────────────────────
テレワークは育児や介護を要する家族のある人をはじめとしたさまざまな人材
を活用することができることや、通勤の困難さを軽減できることがメリットと
いわれていました。
コロナ禍の中で地方都市に居ながら仕事ができるというメリットがクローズア
ップされました。東京から本社を地方都市に移動した会社もありますし、地方
都市に住みながらテレワークで東京本社に勤務するということも起きています。
■ テレワークのデメリット ───────────────────────
従業員からは「住宅がテレワークに適していない(個室がないなど)」、「勤
務時間とプライベートの線引きが難しい」といった声が上がっています。
勤怠管理が難しい、コミュニケーション不足となりやすいということもデメリ
ットです。
■ 就業規則に就業の場所は書いていない! ────────────────
就業の場所は労働者にとって重要な労働条件のように考えられますが、就業規
則に記載することは求められていません。就業の場所は就業規則の必要記載事
項ではありません。
労働条件通知書には就業の場所を記載しなければなりませんが、雇い入れ直後
のものを記載することで足りるとされています。
ですからテレワークを命ずるにあたり改めて労働契約書を締結し直すことは求
められていません。
■ テレワークと労働時間の原則 ──────────────────────
テレワークであっても労働時間(始業時刻・終業時刻)は変わりません。
始業、休憩、終業時刻の報告を求めることは重要です。電子メール、勤怠管理
ツールの利用も考えられます。
時間外労働については許可制を徹底すべきでしょう。
■ テレワークと費用負担 ───────────────────────
労働基準法は「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合
においては、これに関する事項」を就業規則に定めなければならないと規定し
ています。
ですから、テレワークに要する通信費、水道光熱費、情報通信機器等の費用負
担をさせる場合には、事前に就業規則・テレワーク規定にその旨を定めておく
必要があります。
■ テレワークと通勤手当 ───────────────────────
テレワークにより通勤の必要がなくなれば、通勤手当も払う必要はないので
しょうか。
通勤手当が通勤に要する実費を支払うという規定なのか、通勤手当として1
か月分の定期券相当額を支給するという内容になっているのか、まずは通勤手
当の規定を確認する必要があります。
■ テレワークと移動時間 ───────────────────────
午前中だけ自宅でテレワークをし、午後から出勤して勤務した場合、その出勤
に関するオフィスまでの移動は通勤時間でしょうか。労働時間でしょうか。
就業場所間の移動時間が労働時間に該当するのかどうかについては、使用者
の指揮命令下に置かれている時間であるかどうかにより、個別具体的に判断さ
れることになります。
使用者が移動することを労働者に命ずることなく、単に労働者自らの都合によ
り就業場所間を移動し、その事由利用が保障されているような時間であれば休
憩時間として取り扱うことが可能です。
ただしこの場合でも、使用者の指示を受けてモバイル勤務等に従事した場合
には、その時間は労働時間に該当します。
使用者が労働者に対し業務に従事するために必要な就業場所間の移動を命じ
ており、その間の事由利用が保障されていない場合の移動時間は労働時間とな
ります。
( 厚労省テレワークガイドライン )
■ テレワークと安全衛生 ───────────────────────
使用者はテレワークの労働者に対し、過重労働対策やメンタルヘルス対策を含
む健康確保のための措置を講じる必要があります。
■ テレワークの作業環境整備 ───────────────────────
テレワークを行う場所が自宅である場合には、事務所衛生基準規則、労働安全
衛生規則等の衛生基準と同等の作業環境となるよう、テレワークを行う労働者
に助言を行うことが求められています。
照明:机上は照度300ルクス以上
窓:窓などの換気設備を設ける
PC:ディスプレイは照度500ルクス以下で、輝度やこのトラストが調整できる等々
当然、自宅であっても業務中に事故になれば労災保険が適用となります。