大きく変わったキャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金が平成29年4月1日から大きく変わりました。

昨年1年間にも数回改正があったキャリアアップ助成金ですが、4月のパンフレ
ットを見てびっくり!助成金額が全面的に変わったのです・・・

 

重要ポイント

労働関係の助成金の多くに4月から、生産性向上の要件が加わりました。

キャリアアップ助成金はどう変わったのでしょうか。

 

正社員化コースの変化

有期契約労働者を正社員にすると60万円(中小企業の場合)の助成金がもらえ
ました。

4月からは同じことをしても57万円に5%の減額です。

ただし、生産性の向上が認められた場合は、72万円となんと20%の増額です。

 

人材育成コースの変化

有期契約労働者に実習型訓練をした場合、1時間当たり800円が助成されていま
した。

今度は760円に減額です。が、ここでももし生産性向上があったのであれば、
20%増の960円です。

 

キャリアアップ助成金のすべてのコースで金額が2種類

キャリアアップ助成金は正社員化コース、人材育成コースのほかにも以下の
コースがあります。(コースの数は8に増えました)

賃金規定等改定コース、健康診断制度コース、賃金規定等共通化コース、諸手
当制度共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労
働時間延長コースです。

全てにおいて生産性向上の有無で2通りの金額となりました。

 

■ 生産性の向上が認められる場合とは

生産性とは、営業利益、人件費、減価償却費、動産・不動産賃貸料それに租税
公課を足した数字を雇用保険保険者数で割った数字をいいます。

助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、その3年前に
比べて6%以上伸びているときに生産性の向上が認められたことになります。

「生産性を向上させた企業が労働関係助成金を利用する場合、その助成額又は
助成率を割り増しします」とパンフレットにうたわれています。

 

新設された諸手当制度共通化コース

有期契約労働者に正社員と共通の諸手当を新たに設けた場合に助成金がもらえ
ることになりました。

たとえば、精皆勤手当や食事手当などの手当を有期契約労働者にも支給するよ
うに規定し、6か月分支払うと助成金の対象となります。

1か月相当分として3,000円以上支給することが要件です。

平成28年12月20日に同一労働同一賃金ガイドラインが出ましたが、ガイドライ
ンを意識して新設された諸手当制度共通化コースだといえます。

 

社会保険の加入者を増やす意図の助成金

平成28年の10月から被保険者501人以上の企業では、週20時間以上の労働時間
社会保険の加入となっています。平成29年4月からは、中小企業でも労使合
意に基づき、社会保険に加入できるようになりました。

新しい「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」は、社会保険の適用要件を満
たしていなかった有期契約労働者を、社会保険に加入させ、基を3%以上
増額した事業主に支給されるものです。

 

まとめ

生産性を高めて有期契約労働者を正社員化してください、社会保険の支え手も
増やしてください、そんな政策への誘導が盛り込まれている新キャリアアップ
助成金です。

この助成金の詳細は厚生労働省 キャリアアップ助成金でご確認ください。