介護事業を行っている会社、社会福祉法人の皆さまにお集まりいただき、セミナーをいたしました。
第1部 介護事業者のための労基法
- 労基法違反と介護事業者
- 介護事業者がふまえておきたい労働時間の法律
- 介護事業者がふまえておきたい賃金の法律
第2部 介護事業者がすぐに使える助成金
- 助成金の原資・注意点
- 均衡待遇・正社員化推進奨励金 3. 介護労働環境向上奨励金
実際にあった事例をもっと話しに盛り込めばよかった・・・と反省です。
日ごろ勤務時間や年次有給休暇の付与のことで気を使っていると思われる総務部長の方から、質問をいただきました。
8時間で5日勤務の人が1日有給を取り、6日めに出勤して2時間働いた。このとき、2時間の労働に割増賃金はを払わなければならないのでしょうか?
『労基法第39条の解釈として「年次有給休暇としての休業日数は 『本条第1項及び第2項の規定の適用について』は『出勤として取り扱う』こと。」 とあります。 けれどもこの通達は、『本条第1項及び第2項の適用について』 と対象を限定した上で、「本当は休業なんだけど出勤したものと 『取り扱う』 と言っているにすぎません。
割増賃金の支払い義務が生じるのは、労基法上は「第33条または前条第1項の規定により労働時間を延長」 した場合(法第37条第1項)だけであり、労基法第32条第1項の 「労働」 は 「労働者が指揮命令下に置かれていること」です。
年次有給休暇で休業した日は、出勤率を計算するときには出勤として取り扱わなければなりませんが、使用者の指揮命令下にあるわけではないので、労基法上は『所定労働時間労働したものとして取り扱う』必要はありません。
実務上は年次有給休暇の取得日を通常の出勤をしたとして給与計算しますが、労働時間としてはカウントしません。 但し、法律を上回って割増賃金を支払うと就業規則で規定していれば、それによらなければなりません。