★★ 男性の家事育児時間はどれくらい? ★★
「2人目の子どもなので、育児休業を2週間ください」
経営者に申し出る男性社員は珍しくなくなってきました。
男性の育児休業取得者は増えています。
■ 重要ポイント ────────────────────────
新潟県の男性の育児休業取得率が急上昇しています。
性別にかかわらず必要なときに育児休業がとれるような体制づくりが会社に求
められています。
■ 新潟県内の民間事業所の男性の育休取得率が急上昇 ───────────
新潟県内の民間事業所の2020年度の男性の育児休業取得率が、前年度比2.5倍
の12.8%となったと報道されました。
(「新潟県賃金労働時間等実態調査」速報値19年7月~20年6月)
1日でも育休を取得した男性の割合は18年度まで1~3%で、19年度は5.2%で
したから、20年度は急上昇したことになります。
全国の数字をみると男性の育休取得率はここ数年伸びていて、2019年は10.5%
でした。
年度の期間が違うので単純に比較はできませんが、全国の取得率を下回る状況
が続いていた新潟県としてはめざましい伸びといえそうです。
■ 働く女性の増加と男性の家事育児参加時間の短さ ──────────────
働く女性は増え、多くの若い世帯は共働きであるにもかかわらず、日本人男性
は欧米諸国に比べ、家事育児の時間が少ないことが知られています。
アメリカ、ドイツ、スウェーデン、ノルウェイなどの国では、6歳未満の子ど
もをもつ夫婦の週全体1日当たりの家事育児時間は3時間以上ですが、日本は1
時間23分で半分以下の長さです。
女性の就業率が上がっているとはいえ、正規雇用率は20代後半をピークに下が
り続け、子どもをもつ女性の多くは非正規で働いています。
■ 女性の雇用を支えるための均等法 ──────────────────────
「近年女子労働者は1500万人と全労働者の3分の1を超え・・・しかしながら我
が国経済、社会の実態は、意欲と能力のある女子労働者がそれを十分に発揮し
うる環境が整えられているとは言えない状況・・・」
(男女雇用機会均等法法案趣旨説明 昭和59年)
1986年(昭和61年)4月1日、男女雇用機会均等法が施行され、35年たちまし
た。意欲と能力のある女子労働者がそれを十分に発揮しうる環境は整えられた
でしょうか。
■ 育児休業法ができてはや30年 ────────────────────────
「労働者が育児のために雇用を中断することなく、その能力を有効に発揮する
ことを確保するための制度」として、1991年(平成3年)に育児休業等に関す
る法律ができ、翌1992年4月に施行されました。
1995年(平成7年)には介護休業が加わって、男性女性に関係なく育児や家族
介護を行う労働者をサポートするための法律となりました。
その後何度か改正があり、休業期間について雇用保険からの給付制度が充実さ
れていきました。
2014年(平成26年)4月からは産前産後・育児休業期間について社会保険料が
免除されるようになるなど、所得補償も手厚いものになってきています。
■ 育児休業法に男性女性の差はない ──────────────────────
「会社で初めて男性の育休取得者が出るが、今の会社の育児介護休業規程を変
えなくてよいのでしょうか」
このような質問を受けたことがあります。
変える必要はありません。
育児休業は最初から性別にかかわりなく権利として取得できることが法律で定
められているのです。
■ 男性の育休取得が実のあるものになるように ───────────────────
育児休業法は女性を保護するためのものではありません。
男女ともに仕事と生活のバランスをとって働くことをサポートする法律です。
男性の育休取得が、家事育児を含めた家庭生活を カップルで支えあうことに
つながることを願います。