育児休業の社保免除の改正

★★ 育児休業の社保免除の改正 ★★

■ 重要ポイント ────────────────────────

10月から育児休業法改正に伴い、月の社会保険料免除に同月中の14日以上の
育児休業の取得をした場合が加わる。

賞与の社会保険料は月末日に育児休業を取得していても、連続して1か月超
の育児休業期間がないと免除されなくなる。

■ 育児休業等期間中の社会保険料の免除 ──────────────────

育児休業を取得しているとその期間は社会保険料が免除されます。

正確には育児休業の開始日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月ま
での社会保険料が免除となります。

育児休業期間が短かった場合、どの時期に(何日に)取得するかで社会保険
料が免除になったりならなかったりします。

■ 現行の制度(9月30日まで) ───────────────────────

例えば7月29日から8月7日まで育児休業を取得したとします。休業期間は10
日です。

会社の休日は7月30日(土)31日(日)と8月6日(土)7日(日)の4日間で、
所定労働日に休んだ日は6日です。

休業期間のすべて(所定休日を含む)について雇用保険から育児休業給付金
が支給されます。

7月の社会保険料は免除になりますから、もし7月に賞与が支給されているの
であれば、賞与の社会保険料、給与の社会保険料(月額保険料)が免除になり
ます。短い期間の休業でも月末に休業していると賞与と給与と両方で社会保険
料が免除となる制度です。

社会保険料免除とは被保険者・事業主の両方の負担が免除になるということ
です。

■ 10月からの改正 ────────────────────────

10月からの改正では月額保険料と賞与保険料で免除要件が改正になります。

月額保険料については同月の末日が育児休業期間中である場合に加え、同月
中に14日以上育児休業等を取得した場合にも免除されます。

賞与保険料は、育児休業等を1か月超(暦日で計算)取得した場合のみ免除
されるように変わります。

賞与が支給された月の月末に育児休業を取得していても、1か月以上休業し
ていなければ、賞与保険料は免除されなくなります。

■ 社会保険料免除の手続き ────────────────────────

事業主は育児休業を取得したいと労働者から申出があり、社会保険料の免除
に該当するときは「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構へ提出します。

育児休業給付金(雇用保険の制度)は原則子が1歳になるまでですが、社会
保険料免除は満3歳未満の子を養育するための育児休業が対象です。

■ 1か月超の考え方 ────────────────────────

12月1日から12月31日まで育児休業を取得した場合、月額保険料免除に該当
しますが、賞与保険料は免除になりません。

12月1日から1月1日のように1か月と1日の休業は1か月超ですので12月の月額
免除と賞与免除になります。

1日から翌月の1日(応当する日)まで休むと1か月超となります。

5月31日は6月31日がないので応当する日がありません。民法で応当する日が
ないときはその月の末日に満了すると定められいます。5月31日に育児休業を
とり始めた場合は7月1日まで休むと1か月超となり、5月と6月の月免除、6月の
賞与免除となります。

■ 14日以上の育児休業があれば例外なく保険料は免除か─────────────

14日の要件による免除のしくみは、開始日と終了予定日の翌日が同一月に属す
る育児休業等についてのみ適用されます。

前月以前から取得している育児休業等の最終月の保険料は、その月の月末日が
育児休業期間中であるか、その月の月中に当該育児休業とは連続しない別途の
育児休業等(14日以上)を取得している場合にのみ免除となります。

■ 一時的・臨時的な就労を行った日は育児休業期間? ──────────────

労使の話し合いにより、子の養育をする必要がない期間に、一時的・臨時的に
就業した場合は、育児休業等日数の算定から除く必要はありません。

■ 届出時期の変更 ────────────────────────

保険料免除の届出は育児休業期間中に行う必要があり、短い期間の育児休業期
間の手続きは遅滞なく行わないと「遅延理由書」を提出しなければなりません
でした。

10月1日以降に取得する育児休業については、育児休業期間終了後1か月以内の
届出であれば、受付てもらえることになります。

■ 10月1日を挟んで育児休業をしている場合は?─────────────────

法律の施行日令和4年10月1日以後に開始した育児休業等について適用されます。

それ以前に開始した育児休業等については対象となりません。

「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正す
る法律による健康保険法等の改正内容の一部に関するQ&Aの送付について令
和4年3月31日事務連絡」などを参考にしました。