年次有給休暇は連続で?

★★ 年次有給休暇は連続で? ★★

「連続して3日以上の年次有給休暇の取得は1年に1回とする。」

このような規定を見ました。

連続して取得することに制限を設けたいのでしょうけれど・・・

■ 重要ポイント ────────────────────────

年次有給休暇は労働基準法成立当初「継続し、又は分割した6労働日の有給休
暇を与えなければならない」となっていました。

「継続して付与」が、分割より先に書かれていることは今も変わっていません。

■ 年次有給休暇が初めてできたころ────────────────────

「使用者は、1年間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継
続し、又は分割した6労働日の有給休暇を与えなければならない。

2年以上継続勤務した労働者に対しては、1年を超える継続勤務年数1年につい
て、前項の休暇に1労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。」

昭和22(1947)年、労働基準法ができたときの年次有給休暇です。

■ 法律制定時の所定労働時間────────────────────────

1936年の「年次有給休暇に関するILO条約」では、1年以上継続勤務の労働者に
は6労働日以上の年休を付与すること、そのうち6日は一括付与すべきことを定
めています。これを受けて日本で初めて年次有給休暇が法律に明記されたので
す。

労働基準法ができたときの法定労働時間は「1日8時間、1週48時間」でした。

6日連続で休んで1週間の連続の年次有給休暇がとれるというものですが、分割
取得も認めましょうというものです。

祝日は現在年16回ありますが、国民の祝日が法律になったのは1948年のことで、
祝日数はわずか9日でした。

法改正により週の労働時間が40時間となり、週休2日の会社が増え、国民の
祝日も増えている今と法定労働時間が週48時間で祝日の法律もなかった当時で
は、年次有給休暇の意味が大きく違っています。

■ 年次有給休暇を取得しないことが美徳 ──────────────────

法律で年次有給休暇が労働者に付与されていても、日本の長期雇用システムの
中で長時間労働が当たり前で、年次有給休暇についても取得しないことが美徳
になりました。

年次有給休暇に関する度重なる法律の改正は「いかに取得率を高めるか」とい
う改正といえます。

■ 昭和62年の改正 ────────────────────────

1年の勤続で6労働日だった年次有給休暇が10労働日に改められたのは昭和62年
のことです。

また、5日を超える年次有給休暇については労使協定により一斉に付与するこ
とができることになりました。

さらに所定労働日数が少ないなどの労働者に比例的に年次有給休暇を付与する
規定も設けられました。

■ 平成5年、10年の改正 ────────────────────────

雇入れの日から1年の勤続で付与されていた年次有給休暇が、平成5年に6か月
間に改められました。

平成10年には6カ月経過した起算した継続勤務年数が1年で1労働日、2年で2
労働日、3年で4労働日、4年で6労働日、5年で8労働日、6年以上で10労働日へ
と、早くたくさんの休暇が付与されるようになりました。6年6か月勤務で最大
20日の年休日になる今の形になったのです。

■ 平成20年改正 ────────────────────────

そもそも年次有給休暇は「連続、又は分割」して取得するものでしたが、平成
20年改正では過半数労働者と労使協定を締結することを要件に、時間単位で年
次有給休暇を付与することができるようになりました。

■ 2019年の4月改正 ────────────────────────

3年前の4月、使用者に「年5日の年次有給休暇の確実な取得」が義務づけられ
ました。

長時間労働防止等のために年次有給休暇の取得を促進しようというねらいです。
付与日数が10日以上である労働者には1年に5日、取得時季を指定して年次有給
休暇を取得させなければなりません。

使用者は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存する義務
もあります。

 

法制定当時に期待された年次有給休暇の意味、役割は大きく変わってきていま
す。