メンター制度で助成金がもらえます!

★★ メンター制度で助成金がもらえます! ★★

「違う部署の人とは話したこともない」そんな従業員が多い会社であれば、
メンター制度の導入で、社内のコミュニケーションをよくしましょう。

■  重要ポイント

職場のコミュニケーションが希薄になっているといわれる中、「メンター制
度」がひとつの有効な方法と考えられています。

メンター制度を導入すると助成金も受給できます。

■  メンター制度の意味

メンター制度とは職場における人材育成法の一つです。

知識や経験の豊かな先輩社員(メンターmentor)と後輩社員(メンティment
ee)が、1対1で、後輩社員のキャリア形成上の課題や悩みについて、先輩社員
がサポートする制度です。

1980年代アメリカが発祥です。

■  メンター・メンティの関係

直属の上司や先輩は部下に指示や命令を出す関係です。メンターは直属の上
司以外の先輩(異なる職場の先輩社員など)がなり、メンティをサポートしま
す。双方向の対話を通じて、メンターはメンティのキャリア形成上の課題解決
や悩みの解消を援助し、個人の成長を支援します。

メンター・メンティの関係は、職場において自然に発生する、先輩・後輩間
の育成的な人間関係を制度的に作り上げるものです。斜めからの支援というい
い方もされます。

■  メンタリングのやり方

定期的にメンターとメンティが面談(メンタリング)を行います。メンター
はメンティの仕事上の課題や悩みなどに耳を傾け、相談にのります。メンティ
がメンタリングの中で気づきを得て、自らその解決に向けて意思決定し、行動
できるよう支援します。

■  メンター制度の効果

メンター制度は、メンティのための制度のように思われがちですが、そうで
はありません。メンティのモチベーション向上はもちろんですが、メンター自
身もメンティへの支援を通じて人材育成意識が向上することなど、メンター、
メンティ双方にメリットがあります。

部門・部署を超えたメンター、メンティのマッチングにより、組織横
断的な連携・ネットワークが可能となり、組織風土の活性化につながることも
メンター制度の効果です。

■  メンタリングの期間

1カ月に1回、1時間程度を1年くらい行うのが効果的であると考えられて
いるようですが、目的に応じて、期間、頻度を設定すればよいでしょう。メン
ター・メンティの信頼関係が深まり、「気づき」が得られるようなメンタリン
グの期間が望ましいと考えられます。

■  メンター制度の導入でもらえる助成金

職場定着支援助成金の雇用管理制度整備助成の中の一つに、メンター制度を
導入すると10万円がもらえるというものがあります。メンター制度導入により
従業員の離職率が低下した場合、さらに57万円(生産性要件に該当する場合は
72万円)がもらえます。

制度を導入する1カ月以上前に「雇用管理制度整備計画」を出しておくこと、
整備計画の期間に就業規則にメンター制度を規定し、メンター研修を受講して
もらい、社内でメンタリングを実施します。

■  メンター制度の就業規則の規定例

就業規則には以下のように規定します。

【メンター制度】
会社は、労働者がかかえるキャリア形成上の課題及び会社における問題の解決
を支援するため、メンター制度を実施する。

2 メンティは、入社後3年未満の社員を対象とする。

3 メンターは、入社後3~5年を経過する労働者の中から、本人の了解を得
て会社が指定する。

4 会社は、メンター及びメンティに対し、メンター制度の実施に関する事前
説明を行う。

5 会社は、メンターに対し、研修費用の全額を会社負担してメンター研修を
受講させる。

■  まとめ

メンター制度で社内コミュニケーションがよくなり、業務の効率アップも期
待できるでしょう。

女性の活躍を推進するためにも有効な方法の一つと考えられています。

※ メンター制度については厚生労働省
「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」平成24年度を参考に
しました。