★★ 男性が育児休業できる会社ですか? ★★
日本生産性本部では新入社員のアンケートを行っています。
2017年秋に実施した生産性本部主催の新入社員研修プログラム等の参加者を対
象にした意識調査の結果が発表されています。
(「2017年度新入社員 秋の意識調査」)
男性の育児休業が進まない中で新入社員男性の意識は・・・
■ 重要ポイント ────────────────────────
育児休業制度ができて四半世紀。
新入社員の男性の8割が、「子供が生まれたときには育休を取得したい」と回
答。
男性も女性も育児休業が取得しやすい環境づくりが求められています。
■ 調査の内容 ────────────────────────
「子供が生まれたときには育児休暇を取得したい」という問いに新入社員男性
の79.5%が「そう思う」との回答でした。意識調査をはじめた2011年から過去
最高の高い数字となりました。
女性はずっと95%以上の数字で、今回は98.2%が「そう思う」との回答でした。
若い男性の多くは、子供が生まれたら自分も休みをとって育児にかかわりたい
と思っていることがわかります。
■ 政府目標と現状 ────────────────────────
厚生労働省は2020年までに男性の育休取得率を13%にする目標を掲げています。
2016年度の男性の育児休業取得率は、3.16%でした。目標に届くとはとても思
えませんが、この数字は過去最高といいます。
(「平成28年度雇用均等基本調査」厚生労働省)
また、女性の育児休業の取得期間は10か月~12か月がボリュームゾーンですが、
男性の取得期間は5日未満が56.9%です。
男性の育休取得は増えていますが、まだ3%。その大部分はわずか5日未
満・・・。
まだまだ男性の育休は珍しいという現実です。
■ 両立支援助成金による取得率アップ ──────────────────
厚生労働省は男性の育児休業に対し、両立支援助成金という助成金を支給して
います。
中小企業であれば連続5日の育児休業を子が産まれてから8週間以内に取得す
ればもらえる助成金です。
私も何社か申請のお手伝いをするなかで、以下のような質問を複数頂きました。
「この助成金申請のために、男性が使えるよう育児休業規程を変更しなければ
ならないのでしょう?」
そんなことはありません!
育児休業法は男女にかかわりなく取得できることを労働者の権利として定めて
いるものなのですから。今ある会社の育児休業規程を直す必要はありません。
■ 育児休業の歴史 ────────────────────────
育児休業法ができたのは平成4年4月です。26年になります。
労基法の産前産後の休業は母性に関する制度で対象者は女性ですが、育児休業
の対象者については男性とか女性とかの区別はありません。
男女ともに養育責任を負っているという考えに立って、育児休業法は、労働者
に育児休業の権利を認めています。
■ 権利として認められているという意味 ──────────────────
育児休業が労働者の権利として認められているとはどういうことでしょう。
法に定められた要件を満たした労働者は、一定の手続きにより「いつからいつ
まで休みます」と意思教示をするだけで、休業にはいることができます。事業
主は拒むことができません。
解雇したりするなどの不利益な取り扱いは許されません。
■ 男性ばかりの会社で育児休業規程がないようだが ─────────────
今まで育児休業の取得者がいなかった会社で、育児休業規程がないということ
はあると思います。その場合でも申出により育児休業が取得できます。
■ 妻が専業主婦ですが ────────────────────────
育児休業は妻が専業主婦の男性も取得できます。
■ 無給になることが不安ですが ─────────────────────
雇用保険から67%の所得保障「育児休業給付金」があります。育児休業期間に
ついては社会保険料の免除制度もあります。賞与支給月に育児休業を取得して
いると賞与の社会保険料も免除になります。