配偶者手当を支給しますか?

★★ 配偶者手当は不要? ★★

■ 重要ポイント ────────────────────────

配偶者手当を廃止して子ども手当を増額する会社が増えているようです。

その背景は?御社は?

■ 配偶者手当とは ──────────────────────

配偶者手当は配偶者がいることに対して支給される手当です。

家族手当や扶養手当の対象者として配偶者に手当を支給していることが多い
と思います。

「平成31年(2019)職種別民間給与実態調査」によると、78%の企業で家族手
当制度があり、そのうちの81.2%で配偶者がいる者に手当を支給しています。
配偶者に手当を支給する場合、その約85%の企業で配偶者の収入による制限を
設けています。

■ 配偶者手当の推移 ──────────────────────

平成28年(2016)の給与実態調査では配偶者に手当を支給する企業は87.0%
でしたが平成31年(2019)の調査では81.2%でした。

配偶者手当を廃止する企業が増えているようです。

■ 公務員の扶養手当は子ども重視へ ───────────────────

公務員には平成28年度、配偶者に13,000円、子に6,500円が扶養手当として
支給されていました。その後段階的に配偶者の手当を縮小し、子への金額を増
額する改定が進み、平成2年度からは配偶者6,500円(俸給により3,500円又は0
円)、子は一人当たり10,000円になっています。

公務員の扶養手当は子ども重視に変わっています。

■ トヨタ自動車の家族手当 ──────────────────────

トヨタ自動車は月額19,500円の配偶者手当を廃止し、月5,000円だった子ど
も分を一人当たり2万円にしました。

「昭和20年代からある制度で、昔は賃金も高くなく専業主婦家庭が一般的だ
ったため、扶養する家族が増える分家族手当を支給するという制度が出来上が
った。だが近年は賃金も上がり、共働き世帯が多くなってきた」ことが変更の
理由だといいます。

■ 共働き世帯数が専業主婦世帯世帯数より多くなって20年以上 ──────────

1980年頃は専業主婦世帯が共働き世帯の2倍くらいでしたが、次第に専業主
婦世帯は減少し、共働き世帯が増えました。

2000年より少し前から共働きの世帯が専業主婦世帯を上回るようになり、2019年
では共働き世帯が専業主婦世帯数の2.1倍になっています。(専業主婦世帯575万
世帯,共働き世帯1,245万世帯)

共働き世帯がこれからも増えることは間違いありません。

■ 配偶者手当を廃止するなら ──────────────────────

もし配偶者手当を減額、廃止とするのであれば総額の原資を変えないこと、
適切な移行期間を設けることが重要です。

代替としては、子ども手当を増額する、子女教育手当を新設する、子の出生
や小学校入学などのときにまとまったお祝い金を支給するなどが考えられます。