何歳から年金をもらいますか

★★ 何歳から年金をもらいますか? ★★

長く多様な形で働く社会に対応するよう、年金の受給開始時期の選択肢が
広がります。

■ 重要ポイント───────────────────────

年金の受け取りを先延ばしにして75歳からにすることができるようになります。

75歳まで年金をもらわないでいると大変有利です。
(そのためには75歳で年金をもらうまで働く?)

■ 65歳から年金をもらわず、70歳からにすると42%増に ────────────

現在、65歳からもらえる年金を1年繰下げて(1年間もらわずに)66歳から受給
すると8.4%(1か月0.7%×12)で108.4%に増額されます。

以下 67歳・・・116.8%

68歳・・・125.2%

69歳・・・133.6%

70歳・・・142%

と増えていき、42%の増額となる、これが現在の上限です。

■ 65歳から年金をもらわずに75歳からにすると84%増に ──────────────

現在は繰下げの年齢は70歳までですが、令和4年4月1日以降に70歳になる方を
対象として、75歳まで繰下げることが可能となり増額率は以下となります。

71歳・・・150.4%

72歳・・・158.8%

73歳・・・167.2%

74歳・・・175.6%

75歳・・・184%

10年繰下げ待機していると84%増えることになるのです。

■ 平均的にはいくら増えるか ───────────────────────

モデル年金では夫の厚生年金9万円、基礎年金6.5万円、妻の基礎年金6.5万円
の合計22万円(月額)としています。75歳まで10年間受給しないとひと月の年
金は22万円の84%増で40万円以上となります。

厚労省の試算では65歳の平均余命を21.8年(男女平均)としているので、75歳
から年金を増額して受給(75歳まで働く?)し、増額された年金を10年くらい
もらうよう進めているように思われます。

■ 確定拠出年金DCの加入可能年齢の引き上げ ──────────────────

企業型確定拠出年金(企業型DC)は現在、65歳未満が加入可能ですが、厚生年
金被保険者であれば70歳未満が加入可能になります。

個人型確定拠出年金(個人型DC)は現在60歳未満という加入要件がありますが、
65歳未満の国民年金被保険者であれば加入できるようになります。

※会社が原則掛金を出すのが企業型、自分で出すのが個人型(iDeCo)。

ともに運用時に非課税で増やせ、iDeCoは、さらに掛金が所得税・住民税の
計算対象からはずれ、税負担が減る。

■ 確定拠出年金DCの受給開始時期の選択肢の拡大 ─────────────────

確定拠出年金(企業型DC・個人型DC(iDeCo))については、現行は60歳から
70歳の間で各個人において受給開始時期を選択できる制度ですが、公的年金の
受給開始時の選択肢の拡大に合わせて、上限年齢が75歳に引き上げられます。
(令和4年4月施行)

■ 公的年金の繰上げの減額率も改定 ───────────────────────

65歳からもらえる年金を60歳になると早めにもらうことができる制度がありま
す。公的年金の繰上げ制度です。

繰上げをすると減額された年金となりますが、現在繰上げの減額率は0.5%
(ひと月当たり)ですが、この繰上げ減額率は令和4年4月1日以降、60歳に達
する方を対象として、ひと月当たり0.4%に改定される予定です。